霧島蒼

鏡に映る顔が歪む 昨日の私か 明日の私か それとも誰かの仮面か

群れの中で息苦しい 同じ顔 同じ声 でも心は悲鳴を上げている

「私は私だ」

その言葉が舌の上で溶ける 苦い味がする

筆を取れば色が滲む 音を奏でれば和音が崩れる それでも手は止まらない

この不快が 私を作る

この痛みが 私を壊す

鏡の中の迷宮で 私は私を探し続ける

存在という重荷を 創造という翼に変えて

(了)